あ
優しくて恐い母親が大好きだった。
マザコンだった。
大きくなってもママ呼びだったので
友達に聞かれたら恥ずかしい、
お母さん呼びにしなきゃって思ったけど
ママに大人ぶってるって思われたくなかった。
変なプライドだ。
最後の方はママ、とも
お母さん、とも呼べずに
ねえ、とかだったかな。
僕は小学生の頃からテニスをやっていて
お母さんによく練習に付き合ってもらっていた
息子よりテニスに熱心だった。
夜、ライトを照らして手出しでボール出ししてもらい、
ひたすらネットに向かって打ち込んでいた。
向こう側は見えないのに
「今のいいね!!」とか言いながら。
気分が乗らないときも家から引きずり出された。
結局、俺も夢中になるんだけど。
テニスコートを借りてサーブ練習をしていた。
なぜか母親も真剣に俺のサーブを返していた。
反抗期だったからかお母さんにアドバイスされると
ムッとなるときがあった。
「もっとトス高く!!」
「・・・」
腹いせにカットサーブを打つ。いい感じに入ってレシーブミスしたから
めちゃくちゃ煽ってやった!!!
負けず嫌いの母親にめちゃくちゃ怒られた。恐かった
自転車で飛び出して怒られたときくらいの勢いで怒られた。本当に恐かった